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都会の完全室内飼いでもないかぎり、切っても切れないヤギとマダニの関係。自然の多いところでヤギとお散歩すれば、ヒトもヤギもマダニと密なお付き合いをするコトに。
今日の記事、タイトルからすると『ヤギのハプニング』カテゴリーでよさそうな。。。ですが、実をいうと森暮らしの我が家では、一歩屋外に出るとマダニがウヨウヨ~。ヒトもヤギもマダニにたかられるのが日常だったりして~。
今日は、我が家で知るかぎりのマダニについての知識と、我が家のマダニ体験、そして我が家で行なってるヤギのためのマダニ対策などなどをまとめてみました~。
気持ちワル~い写真が続出するので、ニガテな方は閲覧ご注意~。
我が家の観察や実験で得た結果は、ほかの観察結果や研究結果と違うコトがあるかもしれません。
間違った情報がありましたら、ぜひコメントよりお知らせください。
目次
- マダニって、どんなダニ?
- マダニの種類
- マダニの害って?
- マダニの季節
- マダニはどこにいる?
- マダニのスゴイところ
- マダニが喰いつきやすい体の部位
- マダニの何がコワい?
- マダニに刺されたら痛いの?かゆいの?
- マダニに刺されたら何がどうなる?
- マダニにたかられた時のヤギの反応
- ヤギがマダニに刺された時の対処法
- マダニ除去に使う道具
- 除去したマダニの処分方法は?
- ヤギ飼いがやってはいけない!マダニ対処法
- 皮膚に喰いついたマダニにやっても無駄なコト
- マダニの産卵
- ヤギのためのマダニ対策
- ヒトができるマダニ対策
- まとめ
マダニって、どんなダニ?
マダニって、こんなダニ。
布団の中にいる目に見えないダニとはぜんぜん別物の外部寄生虫です。足は4対、体は楕円形か卵型で厚みがなくて平ぺった~。羽がないから、手足をうにょうにょ動かしながらひたすら這って移動します。
サイズは大きめの個体で1mmくらい。脱皮してない赤ちゃんダニは極小ホコリサイズ。よ~く見ても、『これゴミでしょ』って認識できるかできないか。ちっちゃ~。
マダニの種類
種類はいろいろいるみたいですが、我が家でたくさん暮らしてるマダニのほとんどはたぶん、シュルツェマダニとフタトゲチマダニの2種類。北海道には5種類くらいのマダニがいるようだけれど、その他の種類はメンドーなので同定してません。とりあえず、マダニと判別できればOKっ。
マダニの害って?
マダニが害虫扱いされる理由、それは動物の血を吸うから~。宿主は血液を持つあらゆる生物。キツネやタヌキやクマやシカはもちろん、ヤギの血もヒトの血も小鳥の血もネズミの血も吸います。マダニにしてみればお食事してるだけなんだけど~。
マダニの場合、『刺す』『咬む』『噛む』『喰う』どの表現が正しいのかなぁ~?我が家では『刺される』『喰いつく』をメインに使ってます。
専門用語では『刺咬(しこう)』だったり、痕が残るようなら『咬傷(こうしょう)』『刺症(ししょう)』『刺咬症(しこうしょう)』とも。
マダニの凶器は口先に突き出てる『口器』。動物を吸血するときは、その口器を皮膚にめり込ませます。口器は釣り針の「返し」みたいになってるから、しっかり喰いつき~。さらに、セメントみたいな固まる物質を唾液腺から出して、1日くらいすると口器はガッチリ皮膚に固定されます。これがマダニの厄介なトコロ。
マダニの季節
マダニが活動する時期はおもに春から秋。北海道南部に位置する我が家の森では、3月上旬から11月中旬頃まで。さすがマダニ。ヤギの草食みシーズンにしっかりかぶせてきます~。気温の高い地域なら冬でも活動できちゃうので年中要注意。
マダニはどこにいる?
マダニの生息範囲は日本全国。というか、極地以外の世界中どこでも。ふだんはヤブの中にいます。山林や河原はもちろん、自然度が高めの地域なら、住宅地にも生息。公園や植え込み、庭や空き地の草むらに潜んでるかも~。
マダニは、地面~背丈くらいの高さにある葉っぱの先端で、動物が通るのをひたすら待ちぶせしてます。待ち伏せ場所は笹の葉とか草の葉だけじゃないから油断できないっ。お散歩中に木陰で一休みすれば、目の前に垂れさがる木の葉にマダニ集団がうじゃうじゃいたりして~。
血液を持ってる野生動物がそばに来たら、マダニは動物の呼気の二酸化炭素を検知して、瞬足でぴょんッ!と飛び移ります。あのちっちゃな体のどこにそんなジャンプ力が~っ?ヤブ漕ぎなんてすると、たくさんマダニ釣りができます。
血を吸って飽血、つまりおなかいっぱいになったら、動物から離れて脱皮。コレを2回繰り返して大人になったら産卵。数百~数千個の卵を産んだあとは数日~数週間で命を終えます。
そんなさすらいノーマディックなマダニたち。寒冷地では、寒くなると土の中にもぐり、植物の根のおふとんにくるまって冬眠するようです。
で、ヤギ飼いとして一番知りたいのは、ヤギに草食みしてもらいたい場所が、マダニの生息場所かどうかというコト。日本全国マダニがいない地域はないとしても、マダニの生息密度がどのくらいか、ピンポイントで危険度を知りたいっ。
それには、血液を持ってる野生動物がどのくらい生息してるかをチェックします。野生動物がたくさん暮らしてるなら当然たくさんのマダニが共生してるし、野生動物が少ない場所ならマダニも少なめ。だから、マダニの生息数ダントツナンバー1を誇るのは獣道、つまり野生動物が歩いたあとにできてる踏み跡。ヤギとお散歩する場所では、ふだんから野生動物の気配やニオイ、糞・足跡・毛・食痕などの痕跡に注目~。
マダニのスゴイところ
普段はのそのそでも、動物がきたら瞬足ぴょん!と飛び移るところ。
飲まず食わずで何年でも生きていられるところ。(ホントか???)
単為生殖、つまり雌だけで繁殖できちゃうところ。
オスでも吸血するのがいるところ。
指の腹でぐりぐりしても一向につぶれないところ。
吸血すると体が10倍以上に膨れるところ。
病原菌をもってても本人(本ダニ?)は不死身なところ。
マダニが喰いつきやすい体の部位
マダニは動物に飛び乗ったあと、すぐには吸血をはじめません。気に入った場所がみつかるまでモゾモゾ動き回ります。マダニがよく喰いつく体の部位は・・・
【ヒトの場合】
皮膚が柔らかいところ。特に、脇の下、足の付け根、手首、胸部、頭皮、耳、目の際、そして…、大事なトコロ。
【ヤギの場合】
どこにでもつく印象。これまでにダニが見つかった場所は、耳、アゴ、首、鼻、おなか、しっぽの付け根、背中、乳房など。
マダニの何がコワい?
マダニが危険生物といわれる理由、それは。蚊とおなじように病原菌の運び屋だというコト。動物から植物へ、植物から動物へと、一生のうちに3往復して吸血するコトで動物から動物へといろんな感染症を媒介します。
マダニが媒介する病気は人獣共通のものが多くて、カナダの歌手アヴリル・ラヴィーンさんやアメリカの歌手ジャスティン・ビーバーさんがマダニによる感染症の『ライム病』にかかったなんてニュースも。回復に向かってるとはいえ、診断と治療が遅れた2人は、これからもずっと後遺症が残りそうな様子。
なんてったってマダニ感染症でコワいのは、ヒトもヤギも死亡する可能性があるコト!2016年にはマダニが運ぶSFTSウイルスに感染した野良猫に噛まれた女性が10日後に死亡。マダニがいる環境では、ペットの犬や猫もSFTSに感染する可能性がある。ってコトは、マダニにたかられ放題のヤギに指とか噛まれたら感染するリスクがあるのか~っ。
それに、マダニが媒介するウイルスに感染した羊や山羊の無殺菌ミルクを飲むコトでも感染するそう。山羊や羊のミルクを飲むなら、ちゃんと殺菌してから。搾乳したヤギミルクの処理方法・殺菌方法についてはそのうち別記事でアップしたいと思います~。
ぜんぶのマダニが病原菌をもってるワケじゃないし、マダニが喰いついたからといって必ず病気になるワケでもないけれど、ヤギを飼うからにはやっぱり予備知識と予防対策が必要かも~。
【マダニが媒介するおもな人畜共通感染症】
ヒト顆粒球アナプラズマ症
ダニ媒介性脳炎
ピロプラズマ病
エーリキア症
ライム病
回帰熱
野兎病
症状など、くわしくは厚生労働省、国立感染症研究所、北海道庁、札幌市などのHPをご参考に~。
マダニに刺されたら痛いの?かゆいの?
マダニが刺す=口器を皮膚に喰い込ませるってコト。なんだか痛そ~?けど、ヤギ飼いママさんとヤギ飼いパパさんはマダニに刺されても、痛みとか、かゆみとか、不快感とか、な~んにも感じたコトないです。それもそのはず、マダニの唾液には麻酔薬みたいな物質が含まれてるから~!吸血されてても、頭が皮膚にめりこんでても、ず~っと無感覚。気をつけてないと、きっと気づかないまま吸われ放題。
それよりも、刺される前に気付くコトがほとんど。体の表面をもぞもぞ歩いてるときにコショコショした感覚があります。なので、手で触って、つまみとって、目で確認して「ん?ゴミ?それともマダニ?」てな感じ~。
マダニに刺されたら何がどうなる?
STEP1:マダニが皮膚に喰いつく。
STEP2:マダニが血を吸いはじめる。
STEP3:マダニの頭部が皮膚に埋もれていく。
STEP4:セメント状の成分で口器が固定される。
STEP5:吸血開始後1~2日でマダニがプックリ肥大化する。
STEP6:マダニの体の上半分が皮膚に食い込む。
STEP7:マダニは数日~1週間くらいで飽血して満足する。
STEP8:マダニが宿主からポロっと離れる。
マダニにたかられた時のヤギの反応
マダニがヤギの毛をかき分けてモゾモゾ歩いてると、ヤギはけっこうな頻度で蹄や角の先でひっかいて、刺される前につぶしてます。だから、ときどきペチャンコになったマダニの死骸が毛に紛れてる~。自分でマダニ駆除するやぎーずは、エラ~イ!
でも、蹄や角先でうまくいかない時とか、いっぱいたかられて大変なコトになってる時は、『ここらへん!ここらへんにいるのぉ~っ!とってぇ~!』ってテンパりながら、飼い主にだいだいの場所を鼻先で教えます。やぎーずの指示がアバウト過ぎてなかなか見つからないときもあるけれど、たいていはどこかにいます。
ちょっとイヤなのは、すでに吸血中のマダニを蹄や角で引っ掻いちゃったとき。マダニがつぶれて吸われた血がはじけます~。
ただ、一旦マダニが皮膚に喰いついちゃうと痛くも痒くもないから、たいていはヤギ本人も気にならないまま~。
ヤギがマダニに刺された時の対処法
皮膚に喰いついてから時間が経てば経つほど、マダニは皮膚の奥深くへともぐりこんでいくし、感染症のリスクもより高くなるらしい~。だから、ヒトであれ、ヤギであれ、マダニが皮膚に喰いついたら、焦らず慌てずさっさとマダニを除去します。我が家のマダニ除去方法は、こんな感じ~。
【喰いついたばかりの段階なら】
指先でカンタンにつまんでとれます。簡単にとれないようなら、すでに次の段階というコトで~。
【口器が皮膚に喰い込んでる段階なら】
毛抜きを使って、できるだけ根元をつまんで、回転させながら口器ごとねじり取る。マダニをつぶさないよう、口器をちぎらないよう、マダニを落として見失わないよう、やさしく丁寧に確実に。
【頭部や口器が皮膚に残った場合】
可能な限り毛抜きでねじり取る。えぐり取る。切除する。最後に消毒。我が家では幸いまだ、このパターン未経験デス。
【ヤギが引っ掻いて頭部や口器だけ皮膚に残った場合】
たいてい1週間後くらいにカサブタになってるのを見つけて気がつきます。マダニなのかどうかを確認するのはかなりムズカシイけど~。皮膚に残った頭部や口器はカサブタになって毛と一緒にポロリと落ちます。運が悪ければ化膿するかもしれないし、最悪の場合、感染症にかかってしまうけれど、気づけない以上はしょーがナイ。
【コワくて自分で除去できない場合】
しょうがないので動物病院行きデス。が、我が家ではマダニで獣医さんのお世話になったコトがないので、どんな処置が行われるかはわかりません。
マダニ除去に使う道具
【我が家のマダニ除去グッズ】
● 毛抜き:口器ごとキレイにマダニを取り除けるよう幅広で内側の空間が大きいものを使います。
※同じ毛抜きでも、内側の空間が小さいものはマダニがつぶれちゃうからNG。
● 消毒液:マダニを除去したあとの刺傷にバイ菌が入らないよう消毒します。
※目のフチなど粘膜付近に消毒液を使うのはNG。
● 削蹄枠/搾乳枠:落ち着きのないヤギでも、搾乳枠とか削蹄枠に入ってもらえばマダニ除去の細かい作業もスムーズに。
※2人いて、1人がヤギを動かないように抑えられるなら、それでもOK。ただし、ヤギが動いて失敗すればマダニがつぶれて血が飛び散ったり、逆流したり、マダニの口器がヤギの皮膚内に残ったりする可能性アリ。
●密封容器:ガラス瓶やペットボトルなど、透明で密封度が高い小さな容器を準備します。中が見えない不透明な容器はNG。
※マダニを除去する時に、どーしてそんなものが必要なの~?その理由が気になる方は、次へどうぞ~。
https://item.rakuten.co.jp/kenkoex/1051-4972525533935/?s-id=bk_pc_item_list_name_c
(我が家でマダニ除去に使ってる毛抜きはコレ。内側にしっかり空間があります。)
https://item.rakuten.co.jp/sundrug/4987774065540/
(マダニを除去したあとの刺咬痕はスプレータイプのマキロンで消毒。)
【カンタン便利!マダニ取り器】
釘抜きみたいな形をした『Tick Twister(ティックツイスター)』というマダニ除去道具もあります。我が家でも、ずっと欲しいと思ってましたが、ついに入手しました~!
英語で『ティック』は『マダニ』、『ツイスター』は『らせん状に回転するもの』。毛抜きだとマダニを回転させるために何回も手を持ち直すけれど、コレならクルクル指先を動かすだけで回せます。画期的ぃ~!
https://item.rakuten.co.jp/ohstore/2b4yo8nxnx/?s-id=bk_pc_item_list_name_n
(マダニを簡単に除去できる便利な道具『Tick Twister』。)
これが、噂の 『ティックツイスター』。 大小2本セットを購入しました。楕円の収納ケースは『カラビナタイプ』というそうです。 フタはなくて、これで収納できてる状態。なんでフタがないのかは・・・ナゾ~。
裏には『MADE IN FRANCE』と書いてあります。本物はフランスのO’TOM社製。中国製のコピー商品もたくさん出回ってるので、購入前に要チェック。そして、コピー品を扱ってるお店は要注意。
もともと付属してた超ミニの細くて黒い紐を取り外して、作業手袋でもつかみやすいヒモにさっそく交換。
先端はマダニの根元に引っかけられる釘抜きフォルム。
このティックツイスター、我が家ではまだ出番がないですが、次回のマダニ登場の機会に使ってみて、感想をお知らせしたいと思います~。
除去したマダニの処分方法は?
血を吸ったマダニを捕まえたら、捨てません。生きていても死んでいても、ビンとかペットボトルとか中の様子が観察できる透明容器で密閉して保管します。保管期間は、感染症潜伏期間の2~16週間くらい。疑わしい症状がでたら、確実な原因特定のためにそれを持って病院へ行くことになります。
吸血して満腹ハッピーなマダニは容器の中で産卵することがあるし、死んだマダニや卵の殻からはコナダニなんかが発生したりするから、容器の口はかならず粘着テープで完全にふさぎます。孵化した赤ちゃんマダニとかコナダニが家の中でゾロゾロ出てきたらホラー&カオスだから~。
感染症状が出るコトなく時間が経過して、容器の中のマダニが死んでることが確認できたら、保管終了。
赤ちゃんマダニやコナダニがいなければ、粘着テープで2つ折りにして閉じ込めれば燃えるゴミで捨てちゃいます。
赤ちゃんマダニやコナダニが発生してる場合は、ビンが割れない程度の熱湯を注いで病原菌にトドメをさしてから洗い流して、容器は自治体のルールに沿った方法で破棄やリサイクルするか、次のマダニにリユースします。
ヤギ飼いがやってはいけない!マダニ対処法
【 吸血前のマダニを払い落す】
退治しないと繁殖します。同じ個体が、他の動物の血を吸ったり、ヤギについたり、ヒトのところへ戻ったりして、病気を媒介するかもしれません。
【吸血中のマダニを指先やピンセットで除去する】
マダニがつぶれて、吸われた血や体液が逆流します。
【吸血中のマダニを垂直に引っ張る】
体だけがちぎれて、頭部や口器が皮膚の中に残ったら、化膿するかも~。
【吸血中のマダニを放置する】
吸血しておなか一杯になった飽血マダニは宿主を離れて、産卵。その1匹がのちに何千匹、何万匹と増殖して戻ってきます。それに、吸血期間が長くなればなるほど、感染症のリスクも高まるらしい。
【除去したマダニを捨てる】
万が一、マダニが媒介する感染症のような症状が出たときに、吸血した原因マダニがいないと、医療機関で感染源が特定しにくくなります。
皮膚に喰いついたマダニにやっても無駄なコト
ヤギ飼いママさんが自分の体に喰いついたマダニで実験した結果です。どれも効果はゼロ。口器が皮膚にめりこんだマダニは、酔っぱらったり、溺死したり、毒死したり、窒息死したりしないから~。
アルコール度数の高いお酒を垂らして酔わせる
お酒がモッタイナイ。
ボディーソープで毒殺する
ボディーソープがモッタイナイ。
ワセリンを塗りたくって窒息死させる
ワセリンがモッタイナイ。
塩をふりかけてお祓いする
マダニは悪霊ではなかった~。
熱いお風呂に入って溺死させる
自分がのぼせて弱りました。
殺虫剤とか忌避剤を塗りつけて追っぱらう
自分の体に毒です。
マダニの産卵
ここまでも充分キモチ悪い内容をお見せしましたが、ココからはさらに気持ちワル~イ写真が連続します。マダニの産卵シーンは『閲覧注意』とか『グロ注意』レベルです、たぶん。苦手な方は上の目次に戻り、ココを飛ばして次へおすすみください。
ヤギ飼いママさんもヤギ飼いパパさんも決して虫好きではない・・・、というか、むしろ虫キライ。でも、我が家では机の上にマダニボトルを置いて毎日観察してるので、見慣れ過ぎてマヒしてるかも~。
では、ここから先は、虫が平気な方と、コワいもの見たさが抑えられない方だけどうぞ~。
で、孵化した赤ちゃんマダニはというと、11月中旬になるとめいめいの場所で動きがストップ。コレって・・・冬眠?屋内でも冬は冷蔵庫に負けないくらい冷え冷えの我が家だからか~?それとも・・・ご臨終?
実は、マダニの卵が孵化するまで観察できたのはコレが初めて。いつもはたいてい孵化しないまま腐敗して終了。なので、果たして彼らが春に目覚めてまた動き出すのか~興味深々~!子マダニが生きてるとすれば、このまま捨てるわけにもいかないし、暖かい季節になるまでさらに観察~。
ちなみに、予想デス。
ビンの中の空気や湿気が循環してないので、今回の赤ちゃんマダニたち、すでに腐敗してるのでは~?結果は、追ってご報告しましょ~。
【ご報告】
翌年2020年の結果デス。
赤ちゃんマダニたちは、春になっても夏になっても目覚めることなく、予想どおりという結論に至りました~。
ヤギのためのマダニ対策
我が家がこれまでに試してるマダニ対策いろいろです。
【マダニを寄せ付けないための対策】
虫よけ首輪
ペットショップでよく見かけるマダニ忌避グッズです。むぎちゃんに試したことはありますが、コレをつけて2週間くらいで普通にマダニついてました。開けた直後はニオイがきつくて健康に良くなさそうだし、気休め感も否めない~。
虫よけスプレー
普通の虫よけスプレーはマダニに効きません。
ハッカ油スプレー
効果は噴霧した一瞬だけ。しかも成ダニにはほとんど効果なさそうで。それを毎日何回も全身に噴霧するなんて、手間と費用かかりすぎ~。
草食み場所の選択
マダニのいる可能性が高いヤブにはできるだけ入らせない。
小屋周りの整備
マダニが近寄りにくくするため、ヤギ小屋の周辺では草木ができるだけ生い茂らないように管理。
電気牧柵
北海道の野生動物の中でも一番たくさんのマダニを連れて歩いてるのはエゾシカたち。大型野生動物の行動範囲は、電気柵を使ってヒトやヤギの行動範囲と分断します。そうすることで、マダニの生息密度をコントロールできるから、マダニを寄せ付けない方法としては効果絶大。
https://item.rakuten.co.jp/farman/b40x-sp-b-t_shika200set/
(コスパ最高で断然オススメの電気牧柵はコレ!)
電気牧柵と他の柵とのちがいやメリット&デメリットについてはコチラの記事でどうぞ~。
【マダニに刺されないための対策】
たとえマダニに飛び乗られても血を吸われる前にできる対策は・・・、
マダニチェック
ブラッシングするか、手でヤギ毛をかき分けながら、マダニを見つけてはつぶします。かゆそうにしたら、すかさずそこを掻きながらチェック。我が家のやぎーずはちゃんと『ココ、ココ!』ってマダニのいるところを教えてくれます。
マダニチェックを兼ねたブラッシングやグルーミングの記事はコチラでどうぞ~。
【マダニを減らすための対策】
捕獲駆除
地味だけど、マダニを見つけたら捕獲してつぶす、コレが確実。1匹のマダニを放置したら何千、何万と増殖するから、逃がすまい~!
マダニの外皮はとっても硬いので、それに負けない硬さのものをつかってマダニをプチッと潰します。屋外では石や指の爪が使えるけれど、丸い石や爪の甲だとマダニが滑り落ちちゃうので、平ぺったい石と爪先の組み合わせがマル。
マダニを捕まえる時は地面に落さないよう慎重に。ちっちゃいマダニが地面に落ちたら探し出すのは至難のワザ。というか、ムリ。シートとかハンカチなどを平らに敷いてから、そこに捕獲したマダニを置くと見失わずに落ち着いて処理できます。
でも、マダニの集団を見つけたら、1匹ずつ潰してなんていられないっ!なので、葉っぱごとポリ袋/ビニール袋/ナイロン袋などに包んで、密封して、燃えるゴミとして捨てます。袋が破けそうで心配な場合は、粘着テープでぺたんこ密封すればOK。
衣服に大量のマダニがついたら、1匹ずつなんてつぶしていられない!なので、粘着テープでぺたぺたとってから、2つ折りで密封状態にして、燃えるゴミにします。透明のテープで捕獲すると、いろんなサイズ・色・形のマダニをじっくり観察できておもしろ~ぃ。
駆虫薬
薬なんて、できるコトなら使いたくない…。なら、薬なしでヤギを飼う方法もアリ。ただし、ヤギが数年に一度病気になるか病死するリスクが高くなるコト覚悟で。。。でも、たくさんの野生動物とマダニが行き交う森の中だと、ヤギが丸腰で暮らすにはリスク大きすぎ~。
というコトで、我が家では日本全薬工業のアイボメックトピカルとエプリネックストピカルいう駆虫薬を獣医さんに処方してもらってます。
アイボメックトピカルは一度投与すると1か月くらいは搾乳したミルクの飲用禁止。なので、雌ヤギむぎちゃんにはエプリネックストピカルという駆虫薬を使ってます。これなら、投与した当日から搾乳したミルクが飲用可能。これまた目が飛び出そうなくらいお高い薬。でも、長い目で見ると『きっと牛乳やチーズをスーパーで買うよりは安くなるハズ』という算段デス。もちろん、駆虫薬には使用期限もあるから単純計算てワケにはいかないけれど~。
ほかの製薬会社のものでも、イベルメクチンという薬剤成分がはいってる薬ならマダニの吸血を抑制したり、吸血したマダニを死滅させてくれる効果があるそうです。
注射タイプもあるようですが、我が家で使用しているのは、動物病院に行かなくても飼い主自身でヤギに投与できる液体ボトルタイプ。定期的にヤギの背筋にそって垂らすだけの使いやすいお薬です。体重に比例する投与量は、『間違ってないかッ』って心配になるくらい、ほ~んのちょっぴり。それでも、内外両方の寄生虫を駆除する効果が1~2カ月くらい続くという経皮吸収型。
ただし、駆虫薬は注意しないといけないコトもいくつかあります。
獣医さんによって効能についての考え方、投薬の量や頻度、価格などが違うかもしれない。
あくまでも牛用の薬なので、ヤギに投与しても全く問題ないのかどうかはわからない。
薬には必ず副作用があり、有益性と同時に有害性もある。
・・・となると、詳しいコトはなかなかブログに書きにくいワケですが~。アイボメックトピカルとエプリネックストピカルについて書けそうなコトがあれば、そのうち別記事にしてみたいと思います~。
ひとまず、この2つの駆虫薬の使用基準は、日本全薬工業HPで、イベルメクチンの副作用については農林水産省の動物医薬品検査所HPでどうぞ~。
ヒトができるマダニ対策
ヒトがマダニくっつけて歩いてると、ヤギに飛び移る可能性がぁ~。ヒトがマダニの運び屋にならないように対策、対策。
【マダニを寄せ付けないための対策】
屋外活動中
マダニがいそうな場所では、タオルや上着をできるだけ地面に置いたり木にかけたりしないのが得策。
服装
マダニが飛びつきにくくて、見つけやすくて、肌まで侵入しにくい服装はこんなのデス。暑い日はホボ地獄。そして、他人にどう見られようとも気にしない勇気が必要かも。。。
・肌の露出はホボ顔だけ。
・手首、足首、首回り、腰回りに入り込むスキマがほとんどナシ。
・特に、首回りはタオルなどでガード。
・フード付き上着で首のうしろは完全防備。
・ポケットのファスナーもぜんぶ閉じておく。
・ポリエステルなどのサラサラ生地。
・靴下から下着まで薄めの色でコーディネート。
・暗い色と柄物はNG。
・髪は束ねて衣服の中に収める。
・耳と頭はバンダナで完全ガード。
【マダニに刺されないための対策】
マダニ撲滅トリプルチェック
ヤブや草むらを歩いたあとは、すぐにマダニチェック。念には念を3段階でやるのがベスト。払い落としても、また這い上がって来るので、地面に落さないように注意しながら~。
1
車や建物にはいる前に、まずは衣服の表面をマダニチェック。縫い目、すそ、襟まわり、ポケット、靴がチェックポイント。
2
家に入ったら全部脱いで下着の内側まで徹底的にマダニチェック。衣類を洗濯機へ入れるのはそのあと。縫い目とか入り組んだ場所に隠れ込んだマダニは洗い流されないコトもあるから~。
3
お風呂のなかで体中をくまなく手で触ってチェック。特に耳の穴、目の周り、頭皮や大事なトコロがチェックポイント。背中は触りにくいし自分で見えないので鏡で確認。
【マダニ感染症を拡げないための対策】
ヤギとのふれあい方・・・手加減しないヤギに指を噛ませるのはNG。我が家の雌ヤギむぎちゃんは甘噛みだけど、雄ヤギじろ君は手加減がヘタなので要注意!
まとめ
マダニは究極にちっちゃくて、自然の中では観察しにくい。弱点もなかなか見えないし、死んだようなフリして生きてたりするし、ホントに厄介。マダニ対策といっても、とにかく地道でアナログな方法しか思いつかないけれど、マダニは寄せ付けない、見逃さない、喰いつかせない。で、ヤギもヒトも健康ハッピーに。
マダニは外部寄生虫ですが、我が家で行なっているやぎーずの内部寄生虫対策についてもそのうち記事にしてみたいと思います~。