『ヤギが脱走した~っ!!』
ってニュースやお話、ときどき見たり聞いたりします。
『きっとヤギってフツーに脱走するんだ~。』
『ヤギ飼うならやっぱり脱走対策はちゃんとしなくちゃね~。』
・・・って、
我が家でもヤギを飼い始める前はそう思ってました。
ところが実際ヤギを飼ってみると『ホントは真逆~っ?』
今日は 我が家が考えるヤギの脱走理由や脱走対策について書いてみたいと思います。
目次
我が家のやぎーずの場合
まずは、脱走した試しがない我が家のやぎーずの行動パターン。
我が家のやぎーずは遠くから飼い主をみつけると大体は近くに来てくれます。お出かけのときは飼い主のうしろを歩くし、飼い主が走り出すと慌ててついてきます。
お天気の日に草食みに出ても、飼い主が見えなくなると大泣きするか、不安で家のほうばっかり見てます。日没後に飼い主が家から離れると心配そうな声で呼ぶし、飼い主が車に乗り込むと『おいてかないでぇ~!』ってテンパっちゃいます。
草食みエリアにつないでやぎーずだけおいてけぼりにすると誰かしら杭ごと引きずって家に戻ってきます。電気柵の外側においてけぼりにしても勇気を振り絞って柵をくぐるか、柵沿いに家の近くまできて飼い主が気づいてくれるのを待ってます。
森へおでかけしても、飼い主が作業で忙しいと飽きちゃってジワジワ家に向かって歩き出します。で、飼い主のいる場所と家の中間あたりで道草を食いながら飼い主を待ってます。しかたなく飼い主も家の方へ歩き出すと張り切って先頭を歩き出します。
一日の草食みを終えて夕方リードを放すとみんな一目散で帰宅します。じろ君なんて繁殖シーズンでない限り先に帰った雌ヤギむぎちゃんの前を素通りして自分の小屋へとまっしぐら。
飼い主の外出中にリードがほどけた時、むぎちゃんは家の玄関ドア前で待ってました。飼い主が車から降りて駆け寄ると同時にドアの前で安心じょぉ~っておしっこ漏らしちゃうし。夜ゴハンのあとにあそんでリードをつなぎ忘れた時は朝行ってみると小屋でおちゃんこ(おすわり)してました。
我が家のやぎーずではないけれど、ご近所で飼ってるヤギさんなんてそもそもリードがないッ。小屋の入口も年中開けっ放し。ご高齢とは言え、ちゃんといつも小屋にいて番ヤギさんしてます。エライっ。
ってな感じなので、我が家では『飼いヤギって自分のおうちが好きな生き物なんだ~!』と考えてマス。
ヤギが脱走する理由
じゃあ、ヤギに脱走する理由があるとすれば・・・?我が家のやぎーずを参考にして考えてみました。
ヤギがヒトとの定住に充分なメリットを感じていれば、ヒトから逃げる必要もナシ。
けれど、本来ヤギはヒトの庇護なしでも、野生で暮らして行けるノーマディック(遊牧的)な生き物としての能力がちゃんとあるハズ。
だから、ヒトのそばにいても生きていく上での『メリットがない』か『デメリットが多い』と判断すれば、よりQOL(Quality of Life)の高い暮らしを求めて外の世界へでかけるのかも・・・。
ヤギが脱走しない理由
今度は逆に、ヤギが脱走するどころか、家に帰りたがる理由があるとすれば・・・?について考えてみました。
ヤギは群れで暮らす社会動物。リーダーを中心としてみんなで一緒に食事したり休んだり移動したり。被食者(捕食される生き物)だから、とっても臆病で、群れから一人離れるような行動はしないハズ。
というトコまでは、野生ヤギも飼いヤギもきっと同じ。
ただ、ヒトに飼い馴らされてるヤギは、飼い犬や飼い猫と同じ『domesticated animal(=家畜)』。ヒトに依存して『ヒトの庇護を受けるコトで生命と種(しゅ)を守るんだぁ!』ってトコロが、野生ヤギとはぜんぜん違ってます。
厳しい自然環境の中、自分たち自身で食べ物を探し歩くよりも、ヒトに飼われてるほうが衛生的な食べ物をおなか一杯もらえるし、おうちに帰ればちゃんとおいしいゴハンが待ってるぅ~。
屋根も壁もない場所で雨や風や雪に耐えて野宿するよりも、ヒトが与えてくれる環境で暮らしたほうが快適で怪我や病気のリスクも少ないし。
被食者として天敵になる野生動物の脅威に怯えながら過ごすよりも、ヒトのそばにいれば守ってもらえるから安全安心だし。
ヤギ同士で牽制し合いしながら一緒に行動するよりも、ヒトに可愛がってもらって遊んでもらいながら暮らす方が楽しいし。
ヤギ同士の決闘に負けてリーダーに従うような屈辱を味わうくらいなら、ヒトをリーダーにして従ったほうが、みんな仲良くできて平等平和だからぁ~。
こんな風にヒトをリーダーとした安泰な群れの定住暮らしに慣れちゃうと、帰巣本能やテリトリー性まで発達しちゃって。もうヤギだけの群れで移動を続ける暮らしなんてムリムリ~。
飼いヤギが脱走しないために
飼いヤギが生きていくために必要なものは、
衛生的でおいしくて充分な食料、
物理的に安全で快適な生活環境、
精神的に安心できる生活環境。
飼育目的にカンケイなく、この3つがちゃんと揃っていれば、やぎーずはきっと脱走しないどころか、おうち好きになってくれます。つまり一番の脱走対策は、やぎーずが安全ハッピーでいるコト。そうすれば飼い主もハッピーやぎーずライフが送れるはず!
と信じて、ついつい今日も家好きやぎーずを甘やかしてしまうヤギ飼いパパさんとヤギ飼いママさんでした。