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1年を通してヤギの里親募集をおこなっている我が家ですが、今日は里親希望者様からよくいただく質問の1つ、
『 ヤギ飼って繁殖したいと思ってるんだけど、
・・・それってタイヘンなの?』
について。ヤギを繁殖してお譲りするまでにどんな作業を経てるのか、我が家でおこなっている作業プロセスを一通りご紹介したいと思います。
コレを『たいへん...』と思うかどうか。。。受け止め方はヒトそれぞれ。
繁殖にかかわる部分以外は、おおざっぱなヤギの飼い方手順、って感じになりました。初めてヤギ飼育をお考えの方もご参考にどうぞ~。
目次
- 1.ヤギについて知る
- 2.ヤギ飼育のための土地確保
- 3.ヤギ飼育のための環境整備
- 4.ヤギを診察してもらえる獣医さんの確保
- 5.ヤギの種付け方法プラン
- 6.ヤギの入手
- 7.ヤギ小屋の準備と管理
- 8.ヤギ飼育アイテムの購入
- 9.毎日休まずヤギ給餌
- 10.ヤギの衛生管理(清掃)
- 11.ヤギの健康管理
- 12.ヤギとのスキンシップとしつけ
- 13.ヤギの発情チェック
- 14.ヤギの種付け(交尾)
- 15.ヤギの妊娠判定
- 16.ヤギの出産準備
- 17.ヤギの出産/助産
- 18.仔ヤギの人工哺乳/人工哺育
- 19.仔ヤギの除角
- 20.仔ヤギの去勢
- 21・仔ヤギの離乳
- 22.仔ヤギの里親募集
- 23.仔ヤギの譲渡交渉
- 24.仔ヤギの輸送
- 25.仔ヤギ用の備品
- 26.まとめ
1.ヤギについて知る
「そこからっ」とツッコまれそうですが、ヤギ飼いライフの事始め。ヤギを繁殖するためには、飼いはじめる前の段階でヤギの生態や習性、ヤギの飼い方に関する知識をある程度得ておくのが賢明。ヤギ飼うと毎日がハプニングだから~。
https://books.rakuten.co.jp/rk/41e5418743d43b9ca8e0ad8d9ccc7519/?s-id=bk_pc_item_list_name_c
https://item.rakuten.co.jp/bookfan/bk-454099137x/?s-id=bk_pc_item_list_name_n
2.ヤギ飼育のための土地確保
都会であっても田舎であっても、ヤギを飼って繁殖させるにはそれなりのスペースが必要。どんな目的でどんな環境でどんな風に飼育したいのか計画を立てて、それに見合った環境の土地を必要な面積だけ確保します。すでに土地が確保できてるなら、その場所でどんな飼育方法が可能かを検討。
ちなみに、ヤギ1頭を飼うためにどのくらいの広さの土地が必要かについて、我が家の考え方は下の記事でご紹介しています~。
3.ヤギ飼育のための環境整備
ヤギを飼育するための土地を確保したら、ヤギを安全ハッピーに飼育できるように環境整備。ヤギに草食みしてもらうなら、ヤギを飼い始めてからも毎日欠かさず環境整備を行います。
『ヤギ飼育のための環境整備って何するの?』って疑問を持った方は下の記事をご参考に~。
4.ヤギを診察してもらえる獣医さんの確保
ヤギが生き物である限り、病気やら怪我やら難産やら、健康面でいろいろと心配になるコトも。イザという時に慌てないよう、ヤギを診てもらえる獣医さんをあらかじめ探しておきます。
5.ヤギの種付け方法プラン
ヤギを飼育する環境が整ったら、いよいよヤギの入手。…と進みたいトコロですが、その前に大事なコト。当たり前だけれど、ヤギを繁殖するには雄ヤギと雌ヤギが必要。まずは、繁殖スタイルについて考えます。
・本当につがいを飼育する?
・それとも、雌ヤギだけを飼育して、種ヤギさんを毎回探す?
・はたまた人工授精してくれるヤギ飼いさんか獣医さんを探す?
・いつ、どこで、どうやって2頭を会わせて交尾させる?
・ヤギの輸送方法は?
・種付けに失敗したら…、どうする?
・ヤギたちの相性が悪かったら…、どうする?
どの方法もカンタンなコトじゃない。それぞれのメリットとデメリットと具体的な種付け方法をしっかり考慮してから、入手するヤギを決めます。
雄ヤギじろ君を我が家にお迎えした日の様子は下の記事でどうぞ~。
6.ヤギの入手
ヤギの種付け方法が決まったら、ついにヤギ探しスタート。どこで、どんな方法で、どのくらいの費用をかけて、どんなヤギを入手したいのか?まずは入手方法について検討して、欲しいヤギが見つかったら交渉。希望する条件のヤギが都合よくタイミングよく見つかるかどうかは…、運次第。
ちなみに、『ハローやぎーず』ではできる限り里親様のご希望に沿った形で仔ヤギを譲渡できるように、あらかじめ仮予約をお受けしています。
7.ヤギ小屋の準備と管理
入手するヤギが決まったら、ヤギの頭数やサイズと飼育環境に合わせて小屋を準備します。
・ 自分で製作するのか?
・ 誰かに製作をお願いするのか?
・ 既製品でヤギに使えるものを探すのか?
・ どんな材料で、どんな大きさで、どんな機能が必要?
・ 予算はどのくらい?
検討するコトが盛だくさんっ。
そして、いざ使ってみると作業性が悪かったり、年月が経つと雨漏りや不具合も。改善に修繕にと、日々の管理作業は続きます~。
我が家の移動式ヤギ小屋については、そのうち記事にしたいと思います。
8.ヤギ飼育アイテムの購入
ヤギ小屋のほかにも、ヤギ飼育には首輪だとか掃除道具だとか必要な備品がコマゴマとあります。
ヤギを飼う前に我が家が用意した最低限の備品リストはコチラ。
ただ、最低限のアイテムでヤギを飼い始めても、最終的にはやっぱりいろいろ必要を感じたりして…。我が家おすすめのヤギ飼いアイテムは下の記事で少しずつリストに追加してます~。
9.毎日休まずヤギ給餌
ヤギの飼育でメインになる2大作業の1つは毎日の餌やり。
我が家では基本のエサが毎日3回、プラスおやつタイムもあります。雨降りが続きそうなときは特にたくさん餌ストックが必要。そして、冬のために採取⇒乾燥⇒ストックするエサの量は結構とんでもない。さらに、妊娠中と搾乳中のヤギは普段よりも1.5~2倍の餌が必要。
自給ヤギ餌で足りないときは、市販の牧草を購入しなきゃ~。
体調が悪くてもケガをしても何があっても、ヤギが生き物である限り、1年365日1095回の餌やりとエサの確保で、ヤギ飼いヒマなし~。
ヤギ餌についての記事一覧はコチラ。
10.ヤギの衛生管理(清掃)
ヤギの飼育でメインになるもう1つの作業は毎日のお掃除。
我が家では清潔を保つために、糞をするたびにお掃除します。回数にすると軽く20回超えかぁ~?!お掃除しないとヤギが糞を踏みつけてドロドロになるし、ヤギも不潔になるし、乳房炎とか寄生虫症とかいろんな病気を招くコトに。だから、お掃除=衛生管理というワケです。
ヤギの糞掃除については下の記事をご参考に~。
11.ヤギの健康管理
糞を掃除する時に怠れないのが、糞の観察。糞の状態は一番簡単にチェックできる健康バロメーター。
そのほかにも、駆虫、削蹄、ブラッシング、ダニ捕りなどなど、ヤギを飼ってると毎日の健康チェックと管理作業がた~くさんあります。
病気のヤギは、お世話時間も経済的コストも余計にかかっちゃうから~。そうならないために、毎日の健康管理で病気予防が第一。
我が家のやぎーずの健康管理については、下のページからご覧ください~。
12.ヤギとのスキンシップとしつけ
ヤギの性格は十頭十色、みんな違ってますが、基本はいつも飼い主のそばで過ごしたいかまってちゃんの社会動物。たくさんスキンシップして話しかけてかわいがってあげないとションボリするし、最後にはグレちゃいます。
スキンシップだけじゃなく、ボディランゲージやアイコンタクトで意志の疎通ができるようにしつけを行うことで、ある程度ヤギの行動もコントロール。人馴れしてないヤギになると、手に負えないから~。
時間はかかるけれど、スキンシップとしつけでコミュニケーションをとりながら、ヒトとヤギの共同生活をお互いにとって安全快適ハッピーに。
ヤギがグレたときの一大問題行動は頭突き。くわしくはコチラの記事でどうぞ~。
13.ヤギの発情チェック
繁殖期がきたら、ヤギを計画的に交尾させるために毎日欠かさず発情チェック。
雄ヤギは雌ヤギの発情兆候をキャッチすると大興奮~!だから、発情期間は力強い雄ヤギが暴走しないための確実な管理も必須です。
我が家のやぎーずの発情兆候については下の記事を参考にどうぞ~。
14.ヤギの種付け(交尾)
放し飼いでいつのまにやら交尾完了!なんてヤギあるあるですが、種付日がわからなければ出産予定日もわからない。出産予定日がわからないと、乾乳の開始時期も、餌の調整時期も、助産準備のタイミングもわからないコトに。。。
だから、同じ自然交配でも種付けは確実に、計画的に、予定をしっかり立てて、記録を残しながらおこないます。
それから、交尾に不慣れなカップルだと、ヒトのサポートが必要な場合も。我が家のぶきっちょやぎーずの交尾については下の記事を参考にどうぞ~。
15.ヤギの妊娠判定
種付後、一番の心配事は、『ホントにちゃんと種付けできてるか』どうか。また発情がやってきてしまったら種付け失敗ってコトで、種付け再チャレンジ!妊娠が確定するまでは毎日がソワソワ~。
我が家の妊娠判定方法はノンリターン法。詳しくは下の記事でどうぞ~。
16.ヤギの出産準備
出産前の数週間は、母ヤギの様子に異常がないかよく観察しながら、エサの質と量を調整します。そして、母ヤギにも仔ヤギにも事故なく無事に生まれるよう、分娩場所や道具の準備をして出産のタイミングを迎えます。
我が家でヤギの出産前に準備するアイテムについては、そのうち記事にしたいと思います。
17.ヤギの出産/助産
助産なしで仔ヤギが生まれるコトもありますが、出産は命がけの大イベント。寒い環境で放置したり、助産方法やタイミングを誤ったりすれば仔ヤギや母ヤギが命を落とすコトも。なので、分娩中は必ずそばで見守り、手遅れにならないようできる限り助産します。助産には救命措置の知識や技術も必須。
18.仔ヤギの人工哺乳/人工哺育
助産と同じく、人工哺乳や人工哺育をしないで100%自然の摂理に任せてると、仔ヤギたちに待っているのは自然淘汰。つまり少なからずの『死』。種(しゅ)の保存のために弱い個体が早い段階で死んで強い個体が生き残るのは、生き物の性(さが)。大自然はぜんぜんやさしいワケじゃないから、我が家では生まれる瞬間からヒトがお世話します。
誕生直後は、その後のヤギの一生にかかわる大事な作業がたくさん。ココで自然に任せて手を抜くと、仔ヤギは誕生後すぐに死ななくても、病弱に育ったり、大きくなる前に死亡したりするコトも。
我が家の仔ヤギだちは少なくとも生後1週間ほどを安全な屋内で過ごします。人工哺乳もするので、栄養の偏りがなく、健康でとんでもなく人懐こいヤギに育ちます。
搾乳⇒ミルクを哺乳瓶へ移し替え⇒ミルクと用具の衛生管理⇒温度管理⇒温め直し⇒哺乳という感じで、生まれてから最低でも1カ月半つづく授乳期間は、毎日3回の哺乳で大わらわ~。
人工哺乳/人工哺育のメリットやデメリットについては、またくわしく別記事にしたいと思います~。
19.仔ヤギの除角
ツノがあるヤギの場合、我が家では生後1週間~10日くらいで除角を行ないます。
角芽を焼き切る除角作業は何度やってもガクブル~。暴れて泣き叫ぶ仔ヤギを抑えながら、肉が焼けるニオイを嗅ぎながら、頭蓋骨が露わになるまで焼きゴテを頭に押し付ける作業は手が震えます。失敗すれば変形したツノが生えてきたり、仔ヤギがショック死するコトも…。
それでも、ツノが生えないようにすることで、ヒトとヤギの共生を格段に安全ハッピーなものにする、大事な作業です。
20.仔ヤギの去勢
雄ヤギはビックリするくらい超早熟!どんなにちっちゃくても平気で母ヤギや姉妹ヤギと交尾 しちゃいます。放置すれば近親交配のできあがり~。
そんなコトにならないために、我が家では生後1か月ほどで雄ヤギの去勢を行ないます。除角ほどのガクブル作業ではないけれど、仔ヤギにとっては除角よりもずっと長くて辛いコト。イヤがる仔ヤギを抑えてかわいいタマタマを除去するなんて、ヒトにとってもイヤ~な作業。
でも、雄ヤギは去勢することで、女の子みたいに優しくかわいらしく大変身するというとっても大きなメリットも。ペットヤギを飼いたい方には、ゼッタイおすすめ!の去勢オスになります。
21・仔ヤギの離乳
哺乳と同じくらい、とっても手間のかかる仔ヤギ用の離乳食づくり。親ヤギと同じものを同じように与えてもお口の小さな仔ヤギはうまく食べるコトができないから~。ヤギの一生を左右する健康で丈夫な反芻胃を育てるために、離乳したあとも2~3か月くらいは食べ物の種類やサイズを少しずつ調節します。
仔ヤギ用の離乳食については、そのうち記事にしたいと思います~。
22.仔ヤギの里親募集
仔ヤギを譲渡するために、お迎えを希望してくださる方を募集します。どこでどんな風に募るか、里親募集の方法はさまざま。
『ハローやぎーず』はこのブログで里親募集してますが、コレがまた曲者。ブログというのは募集ページ1つ書いても、それが即座に検索で上位表示されるわけではないという弱点が…。
なので、写真撮影したり、調べものしたり、すご~く時間はかかるけれど、ブログそのものをできるだけたくさんの方に見つけていただけるように工夫して、里親募集以外の記事も充実させるようにしてます。
23.仔ヤギの譲渡交渉
里親を希望する方からコンタクトがあれば、譲渡のための交渉スタート。わくわくしつつも初めてのやりとりは、譲渡する側にとってかなりのキンチョーもの。譲渡を希望してくださる方だって、きっといろいろ不安があるに違いない…。
『ハローやぎーず』では、まずご希望条件を伺うことで仮予約とさせていただき、できるだけご希望に沿った形で仔ヤギをお譲りできるよう、そして初めてヤギを飼う方にもできるだけ不安なくお迎え頂けるよう、丁寧な対応を心がけています。
24.仔ヤギの輸送
譲渡当日、仔ヤギをお渡しするには必ず輸送が必要になります。里親様ご自身でお迎えに来られるのか、『ハローやぎーず』がやぎーずのお世話の合間をぬってお届けできる地域内か、ペット輸送のサービスを利用するのか、陸送だけでOKか、空輸になるのか、海を越えるのか、仔ヤギにストレスがかかり過ぎないか、費用やいろんな条件を検討して、あらかじめたくさんの準備が必要。
「ペット輸送」や「ペットと飛行機」などのキーワードでネット検索すると下のような情報がヒットするけれど、ヤギが輸送できるのかどうかは1社ずつ問合せてみる必要があります。
【ANA】ペットをお連れのお客様
https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/domestic/support/pets/
【JAL】ペットをお連れの方
https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/support/pet/
【ヤマトホームコンビニエンス】ペットの輸送の概要・内容
https://www.008008.jp/transport/pet/
【日本動物輸送株式会社】ワンニャンキャブ
25.仔ヤギ用の備品
仔ヤギをお渡しする時は、『仔ヤギだけですがどうぞ~』ってワケにはいきません。
輸送の不安とパニックで仔ヤギが走り回らないように首輪やリードが必要だし、体が小さいならケージ、大きめなら小屋も必要。輸送に数時間以上がかかるなら途中でエサや水も必要。エサや水が必要ならエサ箱や水飲み容器も必要。離乳前ならミルクとお湯と哺乳瓶とオムツと離乳食が必要だし、輸送中に出る糞尿を処理するための準備も必要。
ただでさえ不安いっぱいの仔ヤギなので、少しでも快適に移動できるようお迎え当日までに里親様のご希望に合わせて備品も準備万端にしておきます。
26.まとめ
以上が、仔ヤギを繁殖してお譲りするまでの一連の流れでした。
1番から25番にたどりつくまでは、すべてがうまくいけば最短で1年。しかも、このステップ、ほぼぜんぶが同時進行。ヤギの飼育や繁殖は、この流れに入ってないハプニングもてんこ盛りで、毎日楽しくてんやわんや~。
今年2021年の仔ヤギは只今、絶賛里親希望者募集中!
朝から晩までゼッタイ飽きないヤギ飼いライフを送ってみたい方は、ぜひお気軽に下をクリックして『ハローやぎーず』の里親に応募してみてください~。